◎「自国のドラマこそプロパガンダじゃないかと疑おう」@2021/09/25( ht○tps:// rchive.is/qY3jr )
 【大河ドラマ『いだてん』において、河野一郎が清廉潔白な政治家として登場し、自民党と劇中で連呼され、河野太郎氏がSNSで発信した時点でこんな言い訳(引用者注・いわさきちひろを朝ドラにした場合、NHKが特定の主張に加担するとの批判)通じませんから。】
 → 『いだてん』の河野一郎はあえて「清廉潔白な政治家」として描かれていたか?自民党の名称は登場したと記憶するが、連呼されていたか?近現代を描くのなら、その登場人物の子孫が政治的又は経済的重要な地位にあっても不思議ではない。
  もちろん、現在の与党政治家に世襲の者が多いとか、河野氏は自身の立場に鑑みてSNSでの発信は控えるべきだったとか、そのような議論はあってもよいが、小檜山氏の主張とは別次元の問題であろう。

 【『青天を衝け』は、渋沢栄一が主役かつ伊藤博文を美化する時点で、韓国に喧嘩を売っているような大駄作だと思うわけです。そもそも『あさが来た』も胡散臭い政治案件ドラマで、その脚本家再登板という時点で嫌な予感しかありませんでした。その想像以下。
  ついに水戸学刷り込みまで受信料でやらかすという愚かしさ。】
 →(tweetより)プロのレビュアーが脚本や演出や俳優ではなく、韓国に喧嘩売っているか否かで作品を評価するの?そもそも今までの『青天』のどこが韓国に喧嘩売っているの?
 → 「『青天』では水戸学への批判がなされていない」というのなら見解の相違とやり過ごしてもいいが、「『青天』は水戸学を刷り込んでいる」とまで言い出せば、それは虚偽であろう。

 【フェミニスト。労働者の権利が大事にする。障害者。韓国好き。それでいて『青天を衝け』が好きというのは、ギルティープレジャーでもなければ相当まずいですよ。フェミニズムと資本主義、その他もろもろは各自調べてくださいね。説明する義理も時間もない。】
 → 2021/08/28付けnote記事「2021大河で疑問があるのだが……」にもほぼ同様の主張があるのだが、「各自調べてくださいね。説明する義理も時間もない」では説得力は皆無である。
 → フェミニズムと資本主義について小檜山氏が分不相応に議論するのは、上野千鶴子『家父長制と資本制―マルクス主義フェミニズムの地平』(1990年・岩波現代文庫2009年)あたりを読んだものだろう。

 【韓国媒体が『青天を衝け』を危惧する記事のコメントには、こんなものがありました。
   「隣の国のことなんかどうでもいいから、自国の問題を考えようよ」
  なるほどね。韓国の方がこうも冷静だからこそ、あのドラマは相手にもされていないのでしょう。する価値もないし、日本の手でどうにかすべき問題ではあります。】
 → 現筆者はいわゆる「韓国翻訳サイト」をそれなりに見ているのだが、最近、このような見解が相対的に増えてきているのは事実としても、まだまだ少数派であるように思う。
  また、そのような変化の兆しが見られ始めた背景一つに、日本政府の韓国への対応の変化もあるように感じている。いずれにせよ、特定のコメントのみを拾い出し、韓国の一般世論であるかのごとく語る小檜山氏には反発せざるをえない。

 【NHKは中国の『覚醒年代』をプロパガンダと決めつけるニュースを流していました。ニューズウィークでは『大秦賦』(邦題『始皇帝 天下統一』)もプロパガンダと散々書いていましたが。中国のドラマにケチをつける前に、自国のドラマを検討したらどうですか?】
 → (part23・185)「まず、自分の足元を見ろ!」っていうけどさ。 だって、小檜山さんの理屈だと中華ドラマは日本の大河よりもデキがよくて、そのうち日本人は大河よりも中華ドラマを見るようになるんでしょ?   だったら、それがプロパガンダまみれなのはヤバくない?批判するのは当然では?日本のよりもプロパガンダの度合いが段違いで強そうだし。
 → NHKの方は確認がとれないが、ニューズウィークの『大秦賦』に関する複数の記事をみたところ、いずれも「習近平を称賛することを意図している」と評価するもの。
  中国の政治動向を注視することが日本の外交にとって重要であることは論をまたない。『いだてん』や『青天』に何らかの政治的メッセージが込められていたとしても、相対的な比較の範囲を超えており、単なるドラマ批評の問題ではない。