表には決して出さず一人悶々、ついに爆発した孤独な重盛に優しく寄り添う経子が美しい。
たまなりのような怪物女、微妙な嫉妬やら秘めた野心で揺らぐ宗子と時子、強く聡明な滋子、
最後は武士の妻の鑑となって死んでいったツンデレ由良、パワフルな政子も良いけれど、
明子さんと経子さんみたいな良妻に癒されたいですハイ。

赤い羽というアイテムが後白河と宋人とを結びつけ、シルクロードの終点=平泉(現地の資料館に行くと
本当にそう紹介されている)と京の清盛を結びつける。さらに赤い羽は、清盛&時忠の策謀の全貌を一瞬にして重盛
に知らしめ、棟梁としての存在理由が無に等しいことを見せつけられた重盛は震撼した(福原の清盛&時忠はニヤリ)。
さらにさらに赤い禿の創設へ。
オウムにしても赤い羽にしても、こういうシンボリックなアイテムを駆使することで次から次へとストーリーが連結
していく様は、毎度毎度降参してしまう。

祐親京大番役や頼政親子がもたらす京と清盛情報などによって、京都と東国伊豆とを結びつける工夫も特筆もの。
今回は、禿を使った清盛の恐怖政治について上総、三浦、佐々木たちが噂話をし、そこに父義朝を侮られた頼朝と
頼朝に興味津々、京にも関心を寄せる政子という構図で、両者が連結されていた(東国の不満堆積、頼朝覚醒までもう少し)。
ともかくこの大河は物事と人が相互に作用しあう関係性から成り立っており、ad hocな点で孤立してしまうことがない。