>>974
司馬遼太郎の幕末物は読んだ事ないんだけれど、一坂氏の「司馬遼太郎が描かなかった幕末」という本の印象だと、
司馬遼太郎は、「英雄が、その人個人の個性で歴史を変える」物語を好むらしい

坂本龍馬や高杉晋作の場合、後世の創作混じりとは言え、明治のころから「新しい時代を拓く!!」というポジティヴな
志を感じさせるエピソードが、講談とか小説を通してでも伝わってるのに対して、西郷隆盛の場合は、「江戸幕府を倒す!」
っていう、どちらかというと、破壊的な思想しか見えてこないからじゃなかろうか

「江戸幕府を倒して、じゃあその後はどうする」というビジョンが、その後の人生から逆算しても、幕末維新期の行動に現れてこないというか
そういう意味じゃ、誰かが評したという「西郷隆盛という人物は、世間じゃ"豪傑"であるかのように言われているが、"豪傑"というより、
昔ながらの"武将"って感じの人だった」というイメージがしっくりくる
もっとも、おれは幕末物が苦手なので、ビジョンを感じさせる知らないエピソードが実は他にあるのかもしれないが